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1. 賃貸の収納で最初に知っておくこと
賃貸物件の収納が足りないと感じたとき、多くの人が最初に考えるのは「収納家具を買い足すこと」です。しかし、狭い部屋では収納家具を増やすほど床面積が減り、かえって暮らしにくくなります。
賃貸で収納を増やす方法は、大きく3つしかありません。
- 縦の空間を使う(壁面・上部のデッドスペース)
- 家具の下や裏を使う(ベッド下・扉裏)
- 持ち物を減らす
このうち最も効果が大きいのは、実は3つ目です。ただ、すぐに実行できるのは1つ目と2つ目なので、この記事では主に「縦の空間」と「デッドスペース」の使い方を、場所別に紹介します。
①原状回復の原則を確認する
賃貸で収納を増やすとき、必ず意識してほしいのが原状回復です。退去時に元の状態に戻せるかどうかが判断基準になります。
一般的に、画鋲程度の小さな穴は「通常損耗」として認められることが多い一方、ネジ穴やアンカーを使った施工は修繕費を請求される可能性があります。ただし、これは契約内容によって異なるため、入居時の契約書を必ず確認してください。
この記事で紹介するのは、すべて工具でネジ止めしない方法です。とはいえ、判断に迷う場合は管理会社に確認するのが確実です。
2. 壁を収納に変える5つの方法

賃貸で最も活用されていないのが壁面です。穴を開けなくても、壁を収納として使う方法は複数あります。
① 突っ張りラック(床と天井で固定)
床と天井の間で突っ張って固定するタイプの棚です。壁に一切触れないため、原状回復の心配がほぼありません。
向いている場所:洗面所、キッチン、玄関、部屋の隅
選ぶときの注意:天井の強度を確認してください。とくに石膏ボード天井や、点検口の近くは避けます。また、耐荷重は必ず確認し、重いものは下段に置くのが鉄則です。
② ウォールシェルフ(ホチキス固定タイプ)
専用の金具をホチキスの針で留めるタイプの棚です。針の穴は画鋲より細く、跡がほとんど残りません。
向いている場所:リビングの壁面、玄関、トイレ
選ぶときの注意:耐荷重は1〜3kg程度と控えめなものが多いです。本や食器など重いものではなく、小物や観葉植物、フォトフレームなどの「見せる収納」に向いています。
③ 有孔ボード(突っ張り柱に取り付け)
穴の空いたボードにフックを差し込んで、自由に収納をカスタマイズできる方法です。壁に直接つけず、突っ張り柱に固定すれば賃貸でも使えます。
向いている場所:デスク周り、キッチン、玄関
メリット:フックの位置を後から変えられるため、持ち物が変わっても対応できます。
④ ドアハンガー(扉に掛けるだけ)
扉の上部に引っ掛けて使うハンガーです。工具も固定も不要で、最も手軽な方法です。
向いている場所:クローゼットの扉、部屋の扉、玄関の扉
選ぶときの注意:扉の厚みに対応しているか確認してください。また、掛けすぎると扉が閉まりにくくなったり、扉に負担がかかったりします。
⑤ マスキングテープ+フック
壁にマスキングテープを貼り、その上から粘着フックを取り付ける方法です。剥がすときはマスキングテープごと取れるため、壁紙が傷みにくくなります。
向いている場所:小物の一時掛け、鍵、傘、アクセサリー
選ぶときの注意:耐荷重は数百グラム程度と考えてください。また、長期間貼りっぱなしにすると粘着が壁紙に移ることがあるので、数か月に一度貼り替えるのが安全です。
3. クローゼットは「使用頻度×重さ」で決める

クローゼットが散らかる原因の多くは、収納用品が足りないことではなく、置き場所のルールがないことです。
ルールはシンプルで、「使用頻度」と「重さ」の2軸で置き場所を決めます。
①上段:軽い × 使用頻度が低いもの
手を伸ばさないと届かない場所なので、軽くて滅多に使わないものを置きます。
- 季節家電(扇風機カバー、加湿器の箱など)
- スーツケース
- オフシーズンの衣類(圧縮袋に入れて)
重いものを上段に置くと、取り出すときに落下する危険があります。ここは必ず守ってください。
②中段:毎日使うもの
腰から目の高さは、最も出し入れしやすい「ゴールデンゾーン」です。ここには毎日使うものを置きます。
- ハンガーに掛けた普段着
- よく着るアウター
- 通勤バッグ
このゾーンに使わないものが入っていると、クローゼット全体の使い勝手が一気に落ちます。
③下段:重い × 引き出し
床に近い位置は、重くても安全に出し入れできる場所です。
- 衣装ケース(引き出し式)
- 靴の空き箱
- 重量のあるバッグ
引き出し式のケースを選ぶと、かがんだ状態でも中身を確認できます。
④クローゼット内で縦の空間を増やす
ハンガーパイプの下に大きな空間が余っている場合は、突っ張り棒を追加してパイプを二段にする方法があります。トップスとボトムスを分けて掛けられるようになり、収納量が実質1.5倍になります。
4. キッチンは高さで置き場所を決める

一人暮らしのキッチンは、調理スペースも収納も限られています。ここでも考え方はクローゼットと同じで、使用頻度に応じて高さを使い分けるのが基本です。
①腰〜目の高さ:毎日使うもの
コンロ周りとシンク下の上部にあたる、最も手が届きやすい場所です。
- 菜箸、おたま、フライ返し
- よく使う調味料
- 毎日使う食器
ここに置くものが多すぎると散らかって見えるので、「本当に毎日使うか」を基準に絞ってください。
②かがむ位置:週1〜2回使うもの
シンク下や引き出しの内部です。
- 鍋、フライパン
- ボウル、ざる
- ストック食材
シンク下は湿気がこもりやすいので、食品を置く場合は密閉容器に入れるか、除湿剤を併用してください。
③吊り戸棚の上段:月1回以下のもの
脚立が必要な高さには、滅多に使わないものを置きます。
- 土鍋、ホットプレート
- 来客用の食器
- 買い置きのストック
ここでも「軽いもの」を優先してください。重い土鍋を高い位置に置くのは危険なので、その場合はシンク下の奥に回す方が安全です。
④隙間を活かす
冷蔵庫と壁の隙間、シンク下の高さ方向の余りなど、キッチンにはデッドスペースが多くあります。キャスター付きの隙間ワゴンやコの字ラックを使うと、無駄なく使えます。
5. 玄関はすっきり見せる工夫が9割
玄関は面積が小さく、収納を増やすより「すっきり見せる」ことが実用的です。帰宅時に最初に目に入る場所なので、ここが整っているだけで家全体の印象が変わります。
玄関まわりの雰囲気を変えたいときはこちらの記事の、のれん・置き畳の項目も参考にしてみてください。
①床に出す靴は1人1足まで
玄関が散らかって見える最大の原因は、床に並んだ靴です。今履いている1足以外はすべて下駄箱へが原則です。
下駄箱に入りきらない場合は、シューズラックで縦に重ねるか、オフシーズンの靴を靴箱ごとクローゼットの上段へ移動させます。
②姿見で奥行きをつくる
玄関に姿見を置くと、空間が広く見えるだけでなく、出かける前の身だしなみチェックもできて一石二鳥です。壁に立てかけるタイプなら、賃貸でも設置できます。
③壁面フックで浮かせる
鍵、傘、エコバッグなど、玄関で必要な小物は壁に掛けて浮かせると床がすっきりします。前述のマスキングテープ+フックや、ドアハンガーが使えます。
④間接照明で影をやわらげる
玄関は照明が1つだけのことが多く、影が強く出て狭く見えがちです。小さなテーブルランプを1つ足すだけで、印象が大きく変わります。
6. やってはいけない収納3つ
収納を増やそうとして、かえって使いにくくなるパターンがあります。
やってはいけない収納は以下の3つになります。
また、そもそも収納家具をどのサイズにするかは、こちらの記事で判断基準をまとめています。
① 詰め込みすぎる
収納スペースは8割までが使いやすさの目安です。ぎっしり詰めると、取り出すときに他のものが崩れ、結局出しっぱなしになります。余白があるからこそ、戻す動作が楽になります。
② 高い位置に重いものを置く
繰り返しになりますが、これは安全に関わります。落下すれば怪我をしますし、地震時のリスクも高まります。「重いものは下」を徹底してください。
③ 使用頻度を無視した配置
見た目のバランスだけで配置を決めると、毎日使うものが取り出しにくい場所に入ってしまいます。収納は「きれいに見えること」より「戻しやすいこと」を優先すると、結果的に散らかりません。
7. まとめ
賃貸でも、工事をせずに収納を増やす方法はたくさんあります。
- 壁は突っ張り・ホチキス固定・扉掛けで収納に変えられる
- クローゼットは「使用頻度×重さ」で上中下を使い分ける
- キッチンは毎日使うものを腰〜目の高さに、月1のものを吊り戸棚へ
- 玄関は床に靴を出さないだけで印象が変わる
- 収納は8割まで。詰め込みすぎると戻せなくなる
まずは一番困っている場所を1か所だけ選んで、そこから手をつけてみてください。全部やろうとすると挫折しますが、1か所整うと次に進みやすくなります。




